
Artist's commentary
スティルインラブはトレーナーが心配
「トレーナーさんはなんて言うかしら。」
G1に出走する権利を得たウマ娘の元には勝負服が届く。デザインは元々2人で考えていたが、こうしてお披露目するのは初めてだ。
初めてはトレーナーさんにと決めている。
私はチューリップ賞2着で桜花賞に挑むチャンスを手に入れた。今まで以上の強敵の出会い、それは何より私が望むところにある。
でも、それよりも今はトレーナーさんにこの姿を見てもらいたい。
トレーナーさんは私がチューリップ賞を勝ち切れなかったことを自分のミスだと悔やみ私の担当を下ろされる覚悟だったと言う。そんなこと私は許さない。トレーナーさんはずっと私のお傍に...
幸いにもチーフトレーナーさんからは「本番に活かせ」とだけ言われたようで今もこうして私とトレーナーさんは二人三脚でトレーニングを重ねている。
(コンコン)
...
「トレーナーさん?入りますよ?」
(ガラッ)
「...(スースー)」
ホワイトボードに貼られたのは阪神芝1600mのコース図と各種データと桜花賞の出走ウマ娘のデータがある。
チューリップ賞で私を打ち負かしたオースミハルカさん、
3戦3勝アドマイヤグルーヴさん。あのエアグルーヴさんに憧れてこの世界に飛び込み師事を受けているという、私が今最も...喰...いいえ、これ以上は言わないでおきましょう。とにかく、私の一番のライバルになるであろうお方。
他にも抽選待ちのウマ娘を含めた20余人のデータが積んであった。
隠すようにしてゴミ箱に捨てられた栄養ドリンクの空瓶もお見通しだ。
そして、ホワイトボードの前の椅子で寝息を立てているのが私のトレーナーさん。
「トレーナーさん、起きてください。」
少し肩を揺すってみるがなかなか起きない。
「こんなところで居眠りしていたら風邪を引いてしまいますよ?」
「...ん、ラブ?」
「おはようございます、トレーナーさん。」
「俺...寝ちゃってたか?」
「はい、それはもうぐっすりと。」
「ごめんごめん、だらしないところを見せちゃったな。」
「いえ、私のために頑張ってくれてるのですから、そんな事思いませんよ。でも...頑張ってくれてるのは嬉しいんですけど...無理はしないでくださいね?」
「無理?これくらい無理でもなんでもないよ。」
「なら、これはなんですか?」
大量の栄養ドリンクの空瓶を見せる。
「まぁ、これくらいは普通だから。」
「もう...これからもずっといつまでも私のことを支えてくれるのでしょう?それに...いざとなったらどこか遠くへ2人で...」
「それは忘れてくれ...///」
「ふふ、忘れませんよ♡」

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