
Artist's commentary
始発点 ~妄想浪漫旅~
京抄八年 七月 十日 晴れ
今日は、ついに「杪ノ坂」から出発する日です。
祖母に何度も言われてきた「この家の娘はみな、一度は旅に出るものだよ」
その言葉がようやく自分の順番になったのだと思うと、
なんだか夢みたいで、でも少しだけ怖いです。
桜のトランクは母が私と同じ歳の頃に買ったものだそうで
もうだいぶ古いですが、傍に母が居るような気がして心が温まります。
そろそろ時間みたいです。
ケースの中には祖母が用意してくれた着替えと、一通の手紙。
そして宝物をかけて、私は旅に出たいと思います。
いつか会えるといいな。
妄想浪漫旅、始発点にて。
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