
Artist's commentary
司令官恥ずかしいです、そんなにジッと見ないでください!
障子を照らす朝日の明るさを感じゆっくり目覚め、そろそろ見慣れた天井が視界に入ってくる。
寝たまま顔を横に向けると彼の後頭部が見える。
この人と暮らすようになってどれくらい経ったかな…
終わりの見えない戦争に疲れ果て、彼と私は鎮守府から遠く離れたこの家で暮らし始めた。
波の音が聞こえるこの家を選んだのは彼の未練だろう。
何も無いごく普通の日々。
朝起き、同じ食卓を囲んで仕事に行く彼を見送り家事をこなす、日が暮れ彼が戻ってくるのを待つ毎日。
心の底から湧き上がる幸福感が全身を満たしていく。
ああ、こんな生活がしたかったのだ。
ザザッと波の音が聞こえるが砲火は聞こえない、姉妹や仲間達は今日も戦っているのだろう。
そんな事を考えると罪悪感が心の肩を掴み、後ろめたさが首をもたげる。
怖くなって布団に潜り彼の背中にしがみ付く、布団に満たされた彼の体臭が私を包み外界から守ってくれる、そんなのは錯覚だ。
「ん…どうした?」
彼を起こしてしまった。
更に彼にしがみつくと、彼は体をこちらに向け抱き返してくる。
私も彼に負けじと力を込め抱き返す。
昨夜の彼の熱さを思い出し自分の躰が少し熱くなるのを感じ
自分の中の女が目を醒ますのが分かる。
理性と欲望が微かにせめぎ合った後に彼に回していた腕を解く。
ああ、私はこんなにも彼を欲していたのだ…
彼自身に手を延ばすと彼は既に準備が出来ていた。
私の下腹部も更に熱を帯びてくる。
顔を上げ彼の唇を吸う。
互いを吸い尽くすかのようなキスを数度繰り返した後に舌を絡め深く口付ける。
彼の全てがいつまでも私のものでありますように…そんな想いを込めて。
熱した赤銅の様な彼自身が引き抜かれ息を整えその熱さの余韻に暫く浸った後
脱ぎ散らかした下着を手探りで掻き集め、まだ彼の体を欲している自身の未練を断ち切り体を起こす。
朝の支度をしなければ。
靴下を履き下着を身に纏うと心の中が日常に切り替わっていく。
彼との日々続ける為今日一日生きるのだ!
そう決意を新たにする私を彼がじっと見ている。
「何?」と尋ねると
「いや、さっき可愛かったなって」
私は手近にあった枕を彼の顔に投げつけ「バカッ!」と声を浴びせた。
ああ、私は今、幸せだ。
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