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  • Date: 2014-09-03 15:41
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Media asset #1
Danbooru

Artist's commentary

LV99になった大和のアプローチに対してアワレにも墓穴を掘る提督

激化する戦争の最中、彼女の力無くしては困難な任務が続く。
そんな幾度目かの戦果報告の内、彼女はポツリと、自らの練度が限界まで極まった事を付け足した。
何でもない風を装ってはいるが、隠し切れない程の緊張に声を上擦らせながら。
頬を紅潮させ、潤んだ瞳に映るのはある種の期待。
口では強請る事無く、暗に答えを求める落ち着きのないその姿。
まるで幼子のような愛らしい仕草が、この戦時においてはとても尊いものに思えた。

・・・されど。
彼女の望みは、理解出来る。
それでも、私はその想いに答える事が出来なかった。
そう告げた瞬間、彼女の瞳は驚愕に開かれる。
そして静かに、一筋の涙が頬を伝い落ちた。

大本営より送られて来た、限界を超えるための特殊な装備と書類一式。
通称「ケッコンカッコカリ」
なんと馬鹿げた、皮肉めいた名称であろうか。
実にお偉方の考えそうな事だ。
兵器としての新たな力を与えながら、御しやすいように情で縛りつける。
君は特別だ。だからもっと戦え、と。
愛を囁く後ろ手で算盤をたたくように。
なんと傲慢な、おぞましい事か。
この指輪は、彼女達を縛る為の鎖でしかないのだ。

そして更におぞましい事に、コレは本部に申請すれば複数入手出来るという。
彼らは複数の異性と契りを交わす事に、何の忌避感も感じ得ないというのだろうか。
それでいて、戸籍上は何の影響も無いママゴトのような婚姻関係。
故に「カッコカリ」
性差を軽視、いや利用するような男性にとって都合の良い制度。
私はそれが、許せなかった。

それでも彼女達はソレを求める。
兵器故、では無く。うら若き乙女であるが故に。
軍属として明日をも知れぬ戦場に立つ身であり、特異な存在として市井に身を窶す事適わぬ乙女達。

この鉄輪に見ゆるは失われた夢。色褪せた憧れ。
愛しき伴侶と共に歩む平凡ながらも穏やかな未来。
それらを全て、この戦火が焼き尽くした。

虚構の中に泡沫の夢を見る少女達を、哀れだとは思わない。
まほろばの陽炎に希望を見出せるのは、殺伐とした世界の中で生きる彼女達の強さだ。
荒野の果てに浮かぶ、蜃気楼のような明日を信じているからこそ戦い続ける事が出来るのだ。
私はそれを示さねばならない。導かねばならない。
きっと、その為にこの地を訪れたのだと信じて。

静かに涙を流す彼女の左手に優しく触れる。
思えば、そもそも同性である私にはこの指に誓いの証を示す資格すらない。
だけどそれでいい。
偽りの鎖で縛り付けるのではなく、この手で繋いでいればいい。

そっと薬指に口付けを落とす。
形の無い、愛の誓いを込めて。

共に戦おう。この身が血に錆び、灰塵に帰そうとも。
共に在ろう。黒雲が晴れ、この海に光差すその時まで。

どうか、どうか共に―――――

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