
Artist's commentary
トヨタ・セリカ ラリーカー ’90 アクロポリスラリー
グループBの終焉後、トヨタが開発コード595D―― ST165型セリカGT-FOURをグループA規格に合わせて投入したのは1988年のことでした。
デビューイヤーはケネス・エリクソンもユハ・カンクネンも大きな結果を残せず、 チームとしてはまだ模索の段階にありました。 しかし1989年、ある若手ドライバーの加入によって流れが変わり始めます。 同時期にトヨタは開発体制やチーム運営の改革にも踏み出しており、 その新しい体勢に最もフィットしたのが若きカルロス・サインツでした。
調子を上げていくセリカは1990年、ついにアクロポリスで頂点に立ちます。
サインツの初優勝であり、トヨタにとっては初の“ヨーロッパ大陸での勝利”でした。
トヨタのWRC参戦動機はもともと「ヨーロッパでの宣伝」。
その目的が、参戦17年目にして初めて形になった瞬間でもあります。
さらにニュージーランド、1000湖(フィンランド)、RAC(イギリス)でも勝利を重ね、 サインツは1990年のドライバーズチャンピオンに輝きました。 マニュファクチャラーズタイトルこそランチアの牙城を崩せなかったものの、 トヨタの躍進が疑いようのない事実として刻まれた一年でした。
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